土木業界で転職や独立を目指す場合、適切な資格取得は不可欠です。土木の資格取得には、自分のキャリアプランに合わせた選択が重要です。1級・2級土木施工管理技士など代表的な資格から始め、段階的にステップアップしていくことをおすすめします。
この記事では、土木資格の基礎知識や主要資格、取得の流れや学習法について解説します。記事を読めば、自分に最適な土木の資格を見つけ、効率的に学習を進めるヒントを得ることが可能です。
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土木の資格に関する基礎知識

土木の資格に関する基礎知識として、以下を解説します。
- 土木業界における資格の重要性
- 土木の資格を取得するメリット
土木業界における資格の重要性
土木業界における資格の重要性は高く、専門知識と技術を証明できます。仕事の幅が広がり、昇進や昇給のチャンスを増やすことが可能です。法令で義務付けられていることもあり、業務上必須となる場合もあります。資格を取得すると信頼性が増し、業界内での競争力も高まります。
土木の資格を取得するメリット
土木の資格を取得するメリットは以下のとおりです。
- 専門性と信頼性の向上
- 就職・転職時の優位性
- 独立開業の可能性
- 業務範囲の拡大
資格を持つことで、法的責任も明確化します。自己成長や自信の獲得にもつながります。資格取得を通じて業界内でのネットワークが広がり、競争力の強化も可能です。資格は、キャリアを左右する重要な武器です。土木業界で活躍したい方は、資格取得を目指しましょう。
土木に関する主な資格

土木に関する資格は以下のとおりです。
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士
- 技術士(建設部門)
- コンクリート診断士
- コンクリート技士
- 測量士・測量士補
- 労働安全コンサルタント(土木)
- RCCM(技術士補)
1級土木施工管理技士
1級土木施工管理技士は、土木工事の施工管理能力を認定する国家資格です。実務経験が10年以上必要、または学歴と実務経験を組み合わせれば受験できます。試験は学科と実地の2段階に分かれ、合格率は約20%と難関です。公共工事の現場代理人や監理技術者として活動できるなど、多くのメリットがあります。
年収アップや転職に有利で、独立開業にも役立ちます。更新制度がないので、一度取得すれば生涯有効なのも大きな特徴です。1級土木施工管理技士は、2級土木施工管理技士の上位資格にあたり、キャリアアップを目指す方におすすめです。
2級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士は、中堅技術者として現場管理や工程管理などの業務に従事できます。取得には、学科試験と実地試験への合格が必要です。学科試験は施工法や法規など5科目、実地試験では施工経験の記述などが求められます。大きな特徴は、公共工事の現場代理人として認められる点です。
受験資格は、高校卒業後3年以上、または専門学校卒業後1年以上の実務経験が必要です。合格率は学科試験が約30%、実地試験が約70%と決して低くありません。
技術士(建設部門)

技術士(建設部門)は、土木業界で最も難しい国家資格の一つです。高度な専門知識と実務経験を持つ技術者であることを証明します。7つの選択科目があり、一次試験と二次試験の2段階構成になっています。実務経験が必要(大卒7年、高卒11年など)で、合格率は7〜10%程度と、難易度が高いのが特徴です。
建設コンサルタントや公務員で評価が高く、独立開業の際に有利です。年収アップや転職にも有利に働きます。更新制度はありませんが、常に最新の技術や知識を身に付ける必要があります。
コンクリート診断士
コンクリート診断士は、コンクリート構造物の診断・評価・維持管理に関する専門家資格です。役割は、コンクリート構造物の安全性確保と長寿命化であり、以下の業務を行います。
- 劣化状況の調査
- 補修・補強の必要性判断
- 維持管理計画の立案
日本コンクリート工学会が認定しており、取得するには一定の実務経験(大卒5年、高卒8年など)と学科試験への合格が必要です。試験は2段階で行われ、学科試験では一般知識や専門知識、応用能力を問われます。合格率は約30%程度と難関ですが、資格取得後の評価は高くなります。
資格を維持するには5年ごとの更新が必要なので、継続的な学習が必要です。年収アップや昇進の機会が増える可能性が高まります。
コンクリート技士

コンクリート技士は、コンクリートの製造や施工、品質管理に関する専門知識を持つ技術者です。資格を取得すると、以下のメリットがあります。
- ゼネコンや建設会社、生コン会社での評価が高まる
- 給与や昇進に有利に働く
- 独立開業の際に信頼性が向上する
- コンクリート診断士の受験資格が得られる
資格取得には、一定の実務経験が必要です。大学卒業後は3年以上、高校卒業後は5年以上の実務経験が求められます。試験は年に1回行われ、学科試験と口頭試験で構成されています。学科試験の出題科目は以下のとおりです。
- コンクリート工学
- 材料・配合・製造
- 施工
- 品質管理
合格率は約50%と、比較的合格率の高い資格なので、しっかりと準備をすれば合格可能です。資格の有効期間は5年間で、更新には講習会を受講する必要があります。
測量士・測量士補
測量士・測量士補は、測量に関する国家資格です。測量士が上位資格、測量士補が下位資格で、建設・土木分野で高い需要があります。測量士・測量士補の資格を取得すると、公共測量や地図作成などの業務に従事できます。建設会社や測量会社、官公庁などで活躍の場が広がり、独立開業の際に有利です。
測量士は測量士補の業務に加え、より責任のある業務を担当できます。資格取得には、国土地理院が実施する試験への合格が必要であり、継続的な学習が大切です。最新技術への対応も求められるので、GISやリモートセンシングなどの知識も身に付けましょう。
労働安全コンサルタント(土木)

労働安全コンサルタント(土木)は、土木工事における労働安全衛生に関する専門家です。労働安全衛生法にもとづく国家資格であり、事業者に対して労働安全に関する指導・助言を行えるのが特徴です。取得には一定の学歴と実務経験が必要で、学科試験は一次試験(筆記)と二次試験(口述)があります。
一次試験では労働安全に関する法令や実務、専門知識が問われ、二次試験では面接形式で実務能力が評価されます。合格率は約20%程度と難関です。資格取得後は厚生労働大臣に登録され、独立開業や企業内での安全管理責任者として活躍できます。年収は経験や実績により、600〜1,000万円程度を目指せます。
RCCM(技術士補)
RCCM(技術士補)は、建設コンサルタント業務の管理責任者として認められる資格です。資格を取得すれば、公共工事の入札参加資格が認められます。資格取得には、技術士補の資格を取得後、3年以上の実務経験が必要です。試験は毎年10月頃に行われ、合格率は約30%です。
試験科目には、技術部門や建設一般、業務管理の3つがあります。RCCMには7部門20専門分野があり、河川や砂防及び海岸、海洋、道路などが含まれます。資格の有効期間は5年間で、更新が必要です。
土木の資格を取得するためのステップ

土木の資格を取得するステップは以下のとおりです。
- 自分に合った資格を見つける
- 資格取得後のキャリアパスを確認する
- 学習計画と目標を立てる
自分に合った資格を見つける
自分に合った資格を見つけることは、建築・土木業界でのキャリアアップに欠かせません。自身の興味や適性を分析し、現在の職務内容や将来のキャリア目標と照らし合わせます。照らし合わせたら、どの分野でスキルアップしたいかを明確にしましょう。
自分に合う資格を見つけるポイントは以下のとおりです。
- 業界のトレンドや需要の高い資格を調査する
- 難易度と自身の学習時間のバランスを考慮する
- 将来のリターンと比較検討する
- 実務経験の要件や資格の更新条件を確認する
- 継続教育の必要性を確認する
複数の資格の相乗効果を考えるのも良いアイデアです。関連する資格を組み合わせることで、より幅広い知識とスキルを身に付けられます。先輩や業界関係者にアドバイスを求めるのも有効です。実際の経験談を聞けば、より現実的な判断ができます。試験のサンプル問題を解いて適性を確認するのも良い方法です。
» 土木作業員の仕事内容って?業務内容からキャリアアップまで解説
資格取得後のキャリアパスを確認する

資格取得後のキャリアパスを確認することは、将来の目標設定や学習意欲の向上に役立ちます。資格があることで、ゼネコンや大手建設会社への転職、公務員として土木職に就く選択肢も広がります。国・地方自治体でのインフラ整備や都市計画、コンサルティング会社での技術支援なども可能です。
独立志向の方は、フリーランスのほか、以下のキャリアパスも検討してください。
- 教育機関での講師
- 海外プロジェクト参加
- 研究開発部門
- プロジェクトマネージャー
- 起業・自営業
キャリアパスを念頭に置いて、資格取得に向けて学習を進めましょう。
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学習計画と目標を立てる
学習計画と目標の設定は、資格取得の成功に欠かせません。短期・中期・長期の目標を明確にし、試験日程に合わせて1日・週・月単位のスケジュールを組み立てましょう。自分のライフスタイルに合わせ、無理のない計画が大切です。
実務経験が必要な資格の場合は、経験を積むための計画も立て、進捗を記録することで自身の成長を実感できます。モチベーション維持のために、小さな目標達成時に自分へのご褒美を設定するのも効果的です。
土木の資格を取得する方法

土木の資格を取得する方法として、以下の2つを解説します。
- 通信講座や予備校の利用方法
- 独学での勉強法と使う教材
通信講座や予備校の利用方法
通信講座や予備校は、土木の資格取得を目指す方にとっておすすめの学習方法です。効率的に知識を身に付け、試験対策を進められます。通信講座や予備校を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 信頼性の高い機関を選ぶ
- 講座内容や教材を事前に確認する
- 自分のペースに合わせて学習できるコースを選択する
- オンラインとオフラインの講座を組み合わせる
質問サポートやフォローアップ体制も確認しておきましょう。利用の流れは以下のとおりです。
- 自分の学習スタイルや目標に合った講座を選ぶ
- 提供される教材や模擬試験を活用する
- 計画的に学習を進める
- 不明点は質問サポートを積極的に利用する
講座選びの際は、講師の経歴や指導実績、受講者の口コミ・評判や費用対効果を参考にしましょう。講座の受講期間も確認して、適切な通信講座や予備校を選んでください。
独学での勉強法と使う教材
独学での勉強法は、以下がおすすめです。
- オンライン学習プラットフォームの活用
- 専門書や参考書の計画的な学習
- 過去問題集の繰り返し演習
- 教育動画の視聴
- スマートフォンアプリ
自分のペースで学習を進められるので、仕事や生活と両立しやすいのが大きなメリットです。使う教材としては、以下をおすすめします。
- 業界関連のWebサイトや専門誌
- 模擬試験
- YouTubeなどの無料教育動画
業界セミナーやワークショップへの参加、オンライン掲示板や学習コミュニティでの情報交換もおすすめです。実務経験者へインタビューをして、実体験を聞けると、現場の実態や大変さもわかります。適切な教材を選べば、独学でも確実に資格取得に近づけるので、自分に合う方法を見つけて学習を積み重ねましょう。
土木の資格についてよくある質問

土木の資格についてよくある質問は以下のとおりです。
- どの資格から取得すべき?
- 資格取得にかかる費用と時間は?
- 実務経験を証明する方法は?
どの資格から取得すべき?
個人の目標や経験によって最適な資格は異なります。測量の分野に興味がある場合は、測量士補から始めるのもおすすめです。コンクリートに関する基礎知識を得たい場合は、コンクリート技士を目指しましょう。若手技術者の方は、RCCM(技術士補)を取得すれば、将来的なキャリアアップにつながります。
経験を積んだ後は、1級土木施工管理技士や技術士(建設部門)といった、より高度な資格にチャレンジしましょう。自分の目標や現在の立場を考慮し、最適な資格から順に取得していくことが大切です。
資格取得にかかる費用と時間は?

資格取得にかかる費用と時間は、以下のとおりです。
| 資格 | 受験料 | 学習期間 |
| 1級土木施工管理技士 | 約2万円 | 6〜12か月 |
| 2級土木施工管理技士 | 約1.5万円 | 3〜6か月 |
| 技術士(建設部門) | 約2万円 | 1〜2年 |
| コンクリート診断士 | 約3万円 | 6〜12か月 |
| 測量士 | 約1万円 | 6〜12か月 |
| 測量士補 | 約8千円 | 3〜6か月 |
一般的に、費用は受験料と学習教材費がかかります。時間は3か月〜2年程度必要です。通信講座や予備校を利用する場合は5〜30万円程度、独学の場合は教材費として1〜5万円程度を見込む必要があります。
実務経験を証明する方法は?
実務経験を証明するには、勤務先からの証明書や推薦状の取得が必要です。具体的な証明方法は、以下のとおりです。
- 業務経歴書の作成
- 成果物の保管
- 実務経験証明書の準備
- 過去の上司や同僚からの証言
- 業界団体や協会への加入歴
独立開業者の場合は、受注した仕事の契約書や請求書を保管しておきましょう。ポートフォリオを作成して実績をまとめたり、業務日誌や作業記録を継続的に記録したりすることも大切です。受賞歴や特許取得などの実績がある場合は、証明書類も合わせて保管しましょう。
まとめ

建築・土木業界での資格取得は、キャリアアップに大きな影響を与えます。土木施工管理技士や技術士、コンクリート関連の資格など、さまざまな選択肢があります。自分に合った資格を選び、明確なキャリアパスを設定することが重要です。学習方法は、通信講座や予備校、独学などさまざまです。
資格取得は困難ですが、計画的な努力で達成できます。費用と時間を見据え、段階的に進めましょう。