建築士に興味があっても、何から始めればわからずに、最初の一歩を踏み出せない人は多いです。この記事では、建築士になるための基本的な流れから学校選び、建築士の種類、必要なスキルまで解説します。記事を読めば、建築士になるための具体的なステップが明確になります。
建築士になるには?基本の流れ

建築士になるための基本的な流れは、以下のとおりです。
- 国土交通省認定の学校を卒業する
- 建築士試験を受験する
- 必要な実務経験を積む
国土交通省認定の学校を卒業する
国土交通省認定の学校を卒業すれば、建築士試験の受験資格を得られます。大学や短大、専門学校、高等専門学校などがあり、建築に関する基本的な知識と技術を学ぶことが可能です。建築設計や構造計算、施工管理などの専門的な科目もカリキュラムに組み込まれています。インターンシップや実習が含まれている場合もあります。
全国各地に認定校があるため、自宅や職場から通学しやすい学校を選ぶことが可能です。国土交通省のウェブサイトで情報を収集して、自分に合った認定校を選びましょう。認定校の卒業証書は受験申請時に必要となるため、なくさないように保管してください。
建築士試験を受験する

建築士試験を受験する際には、まず受験資格を確認しましょう。一級建築士試験や二級建築士試験、木造建築士試験の3種類がありますが、それぞれに指定された学歴や実務経験が必要です。
試験は学科試験と製図試験の2部構成となっており、それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 学科試験:建築計画や建築法規、建築構造、建築施工などの科目が出題される
- 製図試験:実際の設計図を描く実技試験が行われる
試験は年に1度実施されて、合格率は試験の難易度によって変動します。効率的に合格を目指すためには、予備校や通信講座での対策がおすすめです。特に一級建築士試験は受験料が高額なので、しっかりと準備をすることが大切です。オンラインから受験申込みが可能で、試験結果は数か月後に発表されます。
必要な実務経験を積む
建築士試験を受けるためには、一級建築士の場合は2年以上、二級建築士や木造建築士の場合は1年以上の実務経験が必要です。建築事務所や建設会社、ハウスメーカーなどで働いてプロジェクトに参加すれば、幅広い経験を積めます。
理論と実践の両面から建築を学べて、幅広い知識とスキルを身に付けられます。実務経験を通して、建築基準法や施工管理の基本を深く理解することが重要です。実務経験の証明として、勤務先から実務経験証明書を取得する必要があります。試験を受ける際に提出する重要な書類のため、忘れずに準備しておきましょう。
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建築士になるには学校選びが重要

建築士になるためには、以下の学校の選び方が重要です。
- 建築系の大学・短大の選び方
- 専門学校の選び方
- 高等専門学校の選び方
建築系の大学・短大の選び方
建築系の大学や短期大学を選ぶ際には、以下の項目を確認しましょう。
- 認定校一覧
- 国土交通省が認定する学校であれば、卒業後に建築士試験の受験資格が得られます。
- 学費や奨学金制度
- 学費が高額な場合でも、奨学金制度があれば金銭的な負担を軽減できます。
- カリキュラム内容
- 学校ごとに教育内容が異なるため、自分が学びたい分野や興味のある科目が充実している学校を選びましょう。
- 設備や実習環境
- 新しい設備や実習施設が整っている学校であれば、実践的な学びが期待できます。
- 取得可能な資格
- 建築士やインテリアプランナー、施工管理技士など、取得可能な資格が多い学校がおすすめです。
- 就職実績やサポート体制
- 卒業生の就職実績やキャリアサポートが充実している学校を選べば、よりスムーズに就職活動を進められます。
- 立地や通学の利便性
- 通学時間が短い学校を選べば、学業に集中しやすくなるのでおすすめです。
- 学生の口コミや評判
- 実際にその学校に通った学生の意見から、リアルな情報を得られます。
- オープンキャンパス
- 実際に学校の雰囲気を感じることも大切です。
専門学校の選び方

専門学校を選ぶ際には、以下の項目を確認しましょう。
- 学費
- 専門学校の学費は学校や学科によって大きく異なるので、予算に合った学校選択が重要です。
- カリキュラム内容
- 専門学校では実践的なスキルを学ぶことが多いので、学びたい内容がしっかりと含まれているかを確認しましょう。
- 教員の経験と資格
- 教員のプロフィールをチェックし、どのような指導が受けられるのかを判断します。
- 学校の設備と施設
- 見学して、新しい機材や設備が整っている学校なのかを確認しましょう。
- 卒業生の就職実績
- インターンシップや実習の機会が豊富な学校はおすすめです。
- インターンシップや実習の機会
- 実際の業務に触れる機会が多いほど、卒業後の就職活動で有利になることが多いです。
- 学校の評判や口コミ
- インターネットやSNSで実際に通った人の意見を参考にすれば、より客観的な情報を得られます。
- アクセスの良さや通学の利便性
- 自分の生活リズムに合わせて、無理なく通える学校を選びましょう。
高等専門学校の選び方
高等専門学校を選ぶ際には、以下の項目を確認してください。
- 校風や教育方針
- 学びたい内容や雰囲気に合っているかを確認しましょう。
- 学科やコースの内容
- 興味や将来のキャリアに直結する学びが提供されているかを確認してください。
- 卒業後の進路や就職実績
- 過去の卒業生がどのような進路を歩んでいるかを知れば、学校の実績や就職サポートの質を判断できます。
- 実習やインターンシップの機会
- 実際の現場での経験は、理論だけでは身に付かない実践的なスキルを養うために不可欠です。
- 設備や施設の充実度
- 設計ソフトや模型作成のための設備が充実しているかの確認が必要です。
- 交通アクセスや立地条件
- 遠方からの通学の場合、寮や下宿の情報も確認しましょう。
- 学費や奨学金制度
- 奨学金制度が充実している学校は、金銭的な不安を軽減する助けになります。
- 教師やスタッフの専門性とサポート体制
- 優れた教員陣や親切なスタッフがいる学校は、学びの質を向上させる重要な要素です。
建築士の種類と受験資格

建築士には主に以下の3つの種類があり、それぞれに異なる受験資格があります。
- 一級建築士
- 二級建築士
- 木造建築士
一級建築士
一級建築士は、建築士の中で最も高度な資格です。国家資格であり、建築物の設計・工事監理を行うために必要です。一級建築士の受験資格を得るためには、建築系の大学や専門学校の卒業後に実務経験を積む必要があります。実務経験の期間は学歴により異なりますが、通常は2年以上が必要です。
一級建築士の資格を取得するためには学科と設計製図の試験を受ける必要があります。学科試験の項目は、建築計画や建築法規、建築構造、建築施工の4つです。設計製図は、実際の設計図を描く実技試験です。
一級建築士の資格を取得すると、大規模な建築物の設計が可能になり、多くの企業やクライアントからの信頼を得られます。資格を維持するためには、定期的な研修や講習を受けることが必要です。建築士事務所に登録すれば、独立して仕事を請け負えます。
二級建築士

二級建築士は、中規模の建築物や住宅の設計、工事監理を行う資格です。一級建築士と木造建築士の中間に位置します。受験資格を得るためには、指定の学校を卒業するか、一定の実務経験が必要です。高校卒業後に指定の専門学校や短大、大学を経て受験するケースが多いです。
実務経験は、高校卒業後なら7年以上、専門学校や短大卒業後なら3年以上、大学卒業後なら2年以上が求められます。二級建築士の資格を取得するためには、学科と設計製図の2つの試験に合格する必要があります。学科試験は、建築計画や建築法規、建築構造、建築施工の4つの科目です。
学科試験の合格者のみが、設計製図試験を受験できます。設計製図試験は実技試験で、与えられた課題にもとづいて設計図を作成します。
木造建築士
木造建築士は、木造建築物の設計や施工に特化した専門職です。木造建築の安全性や美しさを確保する専門家として、多くの人々に信頼されています。二級建築士とは異なる資格で、木造建築の設計と工事監理が主な業務です。
木造建築士の受験資格を得るためには、高校卒業後に3年以上の実務経験を積むか、指定学科を卒業する必要があります。試験は学科と設計製図の2つがあり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 学科試験:構造力学や建築法規、建築計画などが出題される
- 設計製図試験:実技試験で、設計図を描くスキルが問われる
試験は年に1度、7月に行われます。合格率は比較的高めですが、しっかりとした準備が必要です。合格後は建築士事務所に登録して業務を開始できます。
社会人から建築士になる方法

社会人から建築士になるためには、いくつかのステップがあります。
社会人から建築士になる流れ
社会人から建築士になる流れは以下のとおりです。
- 建築士を目指す意思を固める
- 建築士の種類と資格要件を確認する
- 具体的な学習方法を確認する
- 学費や勉強時間の確保を計画的に行う
- 建築系の学校に入学し、必要なカリキュラムを履修する
- 実務経験を積むために、関連する仕事やインターンシップを探す
- 建築士試験を受験するための勉強計画を立て、模擬試験や過去問を活用する
- 建築士試験に申し込み、受験する
学習方法は、夜間学科や通信教育などがおすすめです。夜間学科に通う場合は仕事終わりの時間を有効活用する必要があります。通信教育を選ぶ場合は、自宅での学習時間を確保する計画を立てることが重要です。実務経験は、建築設計事務所でのアルバイトやインターンシップを通じて積めます。
建築士試験に合格後、建築士としての登録手続きを行えば、キャリアをスタートさせられます。
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仕事と学業を両立する方法

仕事と学業を両立するために、タイムマネジメントを身に付けましょう。限られた時間の中で効率よくタスクを進めるためには、計画的なスケジュールが欠かせないからです。スマートフォンやアプリを活用して進捗管理を行いましょう。
Todoリストやカレンダーアプリを使い、毎日の予定を細かく設定しましょう。いつタスクを行うか明確になり、抜け漏れを防げます。勉強時間を効率的に確保するためには、早朝や夜間の時間を活用することがおすすめです。仕事が一段落した後や早朝など、集中できる環境で勉強すると、効果的に学習を進められます。
周囲の人に自分の状況を理解してもらって、サポートを得られれば、モチベーションを維持しやすくなります。ストレスマネジメントとリフレッシュを計画的に行いましょう。自己ケアを怠らずに健康を維持すれば、学習を成功に導けます。
夜間学科や通信教育の活用方法
夜間学科や通信教育を活用すれば、社会人でも効率的に建築士の資格を取得できます。夜間学科は仕事が終わった後に通学できるため、実務経験を積みながら学ぶことが可能です。直接講師から指導を受けられ、疑問点をその場で解消できます。ただし通学時間を考慮したスケジュール調整が必要です。
通信教育は自宅で学習できるため、仕事との両立がしやすいです。オンライン講義や資料を利用できるため、時間や場所にも縛られません。ただし、自己管理能力とスケジュール管理が必要です。
夜間学科と通信教育を併用する方法もおすすめです。夜間学科で対面授業を受けつつ、通信教育で補完すれば、効率的に学習内容をカバーできます。それぞれの学習方法に対応した教材やサポート体制を確認して選びましょう。
建築士になるために必要なスキル

建築士になるために重要なスキルは以下のとおりです。
- デザイン力
- 空間イメージ力
- コミュニケーション力とヒアリング力
- プレゼンテーション力と提案力
デザイン力
建築士は建物の設計を行うため、魅力的なデザインを考える能力が必要です。美しく機能的なデザインを作成できれば、クライアントの満足度も高まります。
以下のスキルを磨けば、デザイン力が向上し、クライアントに満足される提案ができるようになります。
- 色彩感覚の理解
- トレンドの把握
- CADや建築ソフトのスキル
- 細部にまで注意を払う力
- クライアントの要望を反映する能力
- 実際の施工に対する理解
- 環境やエコデザインの知識
空間イメージ力
建築士は、設計図から実際の建物をイメージする空間イメージ力が重要です。リビングルームとキッチンの配置や大きな窓の位置など、建物全体のバランスを取る必要があるからです。
高品質な建築物を設計するために、以下の能力を磨きましょう。
- 3Dモデルや図面を立体的に理解する能力
- 室内外の空間配置のイメージ力
- 見えない部分を想像して補完する力
視点や角度を変えて空間を多角的に捉える力があれば、どの角度から見ても美しく、機能的なデザインを作り上げられます。
コミュニケーション力とヒアリング力

コミュニケーション力とヒアリング力は、クライアントとの信頼関係を築いて、プロジェクトを成功に導く能力です。以下のスキルを磨けば、建築士としての仕事の質が向上し、より多くのプロジェクトで成功を収められます。
- 明確な言葉で話す能力
- クライアントの要求を正確に理解する能力
- 効果的な質問をする技術
- 異なる意見を尊重し、共感する姿勢
- 非言語コミュニケーションのスキル
- 聞き手の視点で話す配慮
- 短時間で要点をまとめる力
- フィードバックを受け入れる柔軟性
- ネットワーキングを通じた関係構築能力
- 定期的なコミュニケーションの維持能力
具体的な例として、クライアントが新しいオフィスビルのデザインを依頼してきた場合を考えましょう。クライアントの要求を正確に理解し、適切な質問を投げかければ、どのようなデザインが求められているかを明確にできます。
短時間で要点をまとめ、フィードバックを受け入れる柔軟性を持てば、クライアントにとって満足のいく提案が可能です。クライアントとの信頼関係が深まり、プロジェクトの進行もスムーズになります。ネットワーキングを通じた関係構築能力や定期的なコミュニケーションの維持も重要です。
プレゼンテーション力と提案力
プレゼンテーション力と提案力があれば、クライアントやプロジェクト関係者に対して効果的にアイデアを伝えられます。以下のスキルを駆使すると、提案の説得力が増し、信頼と共感を得やすくなります。
- 視覚的に魅力的なスライドを作成する技術
- クリアで簡潔なプレゼンテーションスキル
- 各ターゲットに合わせた提案内容のカスタマイズ
- データや統計を効果的に活用する能力
- ストーリーテリングを駆使したプレゼンテーション技法
- 反論や質問に対する迅速で適切な対応力
- 信頼と共感を得るためのコミュニケーション手法
- 提案内容のメリットを強調し、説得力を持たせるスキル
- 視覚的要素と口頭での説明を組み合わせた多角的アプローチ
- 時間管理とプレゼンテーションの進行をスムーズに行う能力
建築士になる際に大切なポイント

建築士になる際に大切なポイントは以下のとおりです。
- 建築士試験の難易度と合格率
- 学習環境の整え方とモチベーション維持の方法
建築士試験の難易度と合格率
建築士試験は難易度が高い試験です。試験の内容が幅広く、学科試験と製図試験の両方が含まれます。一級建築士試験の合格率は約10%前後と極めて低く、二級建築士試験も約30%前後と簡単な試験ではありません。
試験の内容は以下のとおりです。
- 学科試験と製図試験の2部構成
- 学科試験は、建築計画や建築法規、建築構造、建築施工の4科目
- 試験は年に1度
合格ラインは学科試験が60%前後で、製図試験は厳格な評価基準にもとづいて採点されます。試験の難易度を理解し、長期間にわたる計画的な学習を行えば、合格の可能性は確実に高まります。
学習環境の整え方とモチベーション維持の方法
効果的な学習環境を整える方法は以下のとおりです。
- 無駄な物を排除してすっきりとした環境を保つ
- 専用の学習スペースを設ける
- 質の良い椅子や机を使用する
- 照明を調節して目に優しい環境を作る
モチベーションを維持する方法は以下のとおりです。
- 学習スケジュールを立てる
- 具体的な目標を立てる
- スマートフォンやインターネットの使用を制限する
- 休憩時間を設定する
- 成功体験やモチベーションを高める文言をメモしておく
- 自分へのご褒美システムを導入する
- 勉強仲間やサポートグループを作る
一定の目標を達成したら好きなことをする時間を設けるなど、楽しみを持つと、モチベーションが維持しやすくなります。仲間がいると孤独感が軽減されて、励まし合うことでお互いにモチベーションを高められます。
まとめ

建築士になるためには、国土交通省認定の学校を卒業し、建築士試験を受験する必要があります。必要な実務経験を積むことも大切です。建築士の種類や受験資格について理解して、自分に合った資格を選びましょう。社会人から建築士を目指す場合は、仕事と学業を両立するために、夜間学科や通信教育の活用がおすすめです。
建築士試験の難易度や合格率を把握して、学習環境を整えましょう。モチベーションを維持することも重要です。デザイン力やコミュニケーション能力などの必要なスキルも磨いて、建築士になる万全の準備を整えましょう。